21世紀の日本は、世界一の少子高齢社会です。高齢者と現役世代の人目バランスがあまりにも悪く、社会保障(介護、医療、年1)は現在の制度のままではまもなく破綻すると言われています。これは、高齢者は二〇三〇年過ぎまで増えっづけるのに、社会を支えるお金(税金、保険料)を生み出す現役労働力ぱまもなく減りはじめるからです。今後、国や企業の少子化対策がうまく回り出したとしても、社会効果が出るのはその二〇年以上あとになります。だから、先を読める企業では、少子高齢社会対策として、とくに女性と高齢者を現役労働力としてうまく雇用することを優先課題にしはじめました。さあ、このあたりから、子宮内膜症の社会的問題に入ってきます。実は、厚生省研究班A班九七年データをさらに分析した貴重なデータが、九九年四月の第五一回日本産科婦人科学会で発表されました。九八年度版の『国民衛生の動向』(厚生省)からおもな疾患データを引用し、一〇万人あたりの受療者数(病院の診療を受けた人数)の年齢分布を比岐したものです。その結果、子宮内膜症だけが他の疾患とはまったく違った年齢分布を示し、そのピークである二五〜二四歳では、一〇万人めなり五七四人という高受療率であることがわかったのです。この統計分析を担当した百枝幹雄氏(束京大学助手)は、社会でも家庭でも中心的な役割を担う年齢層の女性たちが、子宮内膜症でこれほど医療を受けているということは、一医療だけの問題ではなく、社会全体で捉えなければならない問題であると提言しました。つまり、子宮内膜症という病気は、社会・家庭・地域における中心の働き手として貴重な二〇〜四〇代の女性が、原因未解明の病気と不安定な医療対応のために、長期にわたって人材が活かされないという社会問題を引き起こしているのです(働くという表現は、収入を得る仕事だけを表しているのではない)。子どもを産む・産めない・産まない以前に、学校で学ぶ、社会で働く、家庭を営む、地域で活動するなど、生きるという基本的な部分で、私たちはうまく活かされていません。私たちは、自分をもっと活かして生きていきたいと思っています(社会権や生存権という基本的人権の保障を希望する)。一〇〇万人以上の子宮内膜症より、七〇〇万人以上の糖尿病(とくに男性が多い)のほうが優先されると、国では考えているかもしれません。子宮内膜症は、産ませたいという部分で目配りされているだけなのかもしれません。しかし、生活習慣病の糖尿病は、自らの生活習慣が大きな要因で起こる慢性疾患です。一方、子宮内膜症は、発生や発達の諸要因が未解明なために、どの女性がなるかまったくわかりません。子宮内膜症は、不条理な原因と不安定な医療によって、一〇〇万人規模の女性のもてる力が活かされていないうえに、今後もその該当者は増えていくだろうと予想できる、社会的な大問題です。
[参考サイト]
自分のペースでできるピクノジェノール療法